結論から言う。Sonos Rayは「親孝行ガジェット」として最強だった
僕は実家に帰るたびに、親のテレビを見てモヤモヤしていた。
「ねえ、今なんて言った?」「もう一回巻き戻して」
母親がリモコンを握りしめながら、ドラマのセリフを聞き取れずにイライラしている姿。父親が競馬中継の解説を聞き逃してボリュームを爆上げし、隣の部屋まで響いている光景。
薄型テレビの宿命だ。画面は4Kで美しいのに、音だけ昭和のラジオみたいにスカスカ。スピーカーが背面や下向きについているから、壁に反射した音しか耳に届かない。
「サウンドバーでも買ってあげようかな」
そう思って選んだのがSonos Rayだった。結果、実家に帰るたびに「あのスピーカー本当にいいわ」と言われるようになった。親孝行、完了である。
この記事では、僕が実家にSonos Rayをプレゼントした実体験と、その後「これ自分用にも欲しいな」と思ってPCスピーカーとして導入した話をする。2万円台で買える「ちょうどいいサウンドバー」を探している人は、ぜひ最後まで読んでほしい。
Sonos Rayってどんなサウンドバー?

Sonos Rayは、アメリカの音響メーカーSonosが手がけるエントリークラスのサウンドバーだ。
Sonosと聞いてピンとこない人も多いかもしれないが、欧米では圧倒的なシェアを誇るスマートスピーカーの雄。IKEAとコラボした「SYMFONISK」シリーズを見たことがある人もいるだろう。あれを作っているのがSonosだ。
Sonos Rayの立ち位置は明確で、「コンパクトで、シンプルで、それでいて音は妥協しない」というコンセプト。上位モデルのSonos BeamやSonos Arcと比べると機能は絞られているが、その分サイズと価格が抑えられている。
横幅わずか約56cm、高さ約7cm。32インチのテレビよりも小さい。6畳のワンルームにも、実家のテレビボードにも、PCデスクにも収まる。この「どこにでも置ける」というのが、地味に大きなメリットだったりする。
実家にプレゼントした3つの理由

理由1:光デジタルケーブル1本で完結する
親世代にHDMI ARCの設定を説明したくない。これが本音だ。
Sonos Rayは入力が光デジタルのみという潔い仕様。「え、HDMIじゃないの?」と思うかもしれないが、実はこれがプレゼント向きなのだ。
付属の光デジタルケーブルをテレビに挿して、電源を入れる。あとはSonosアプリで初期設定すれば終わり。実家に行って、30分もあればセットアップは完了した。
「このケーブル抜いたらダメだからね」と一言伝えれば、あとは何も触らなくていい。テレビのリモコンで音量調整もできる。親にとって「今までと同じ操作感で音だけ良くなる」というのが最高なのだ。
理由2:スピーチエンハンスメント機能が神
Sonos Rayには「スピーチエンハンスメント」という機能がある。簡単に言うと、人の声を聞き取りやすくする機能だ。
これが親世代に刺さりまくった。
ニュースのアナウンサーの声、ドラマの俳優のセリフ、バラエティ番組のMCのトーク。BGMや効果音に埋もれがちな「声」だけを前に出してくれる。
母親が「なんか、声がはっきり聞こえるようになった」と言っていたが、まさにそれ。加齢による聴力の低下をカバーしてくれる、地味だけど本質的な機能だと思う。
理由3:ナイトサウンドで深夜も安心
もう一つ、「ナイトサウンド」という機能も見逃せない。
これは爆発音や効果音など、急激に大きくなる音を抑えてくれる機能。深夜に映画を見ていて、いきなりドカーンと爆発音が鳴って家族を起こしてしまう、あの悲劇を防いでくれる。
実家の父親は深夜に時代劇を見るのが趣味なのだが、殺陣のシーンで急に音が大きくなって母親に怒られていた。ナイトサウンドをオンにしてからは、そのトラブルもなくなったらしい。
こういう「生活に寄り添う機能」があるのが、Sonosらしいところだと思う。
実際に設置してみた反応
正月に帰省したタイミングで、Sonos Rayを持参してセットアップした。
テレビはシャープのAQUOS、たぶん5年くらい前のモデル。光デジタル出力端子があることは事前に確認済み。
設置自体は拍子抜けするほど簡単だった。テレビボードの上に置いて、ケーブルを2本(電源と光デジタル)繋ぐだけ。Sonosアプリの指示に従ってWi-Fiに接続し、Trueplayチューニング(部屋の音響に合わせて自動調整してくれる機能)を実行。所要時間、約20分。
最初に音を出した瞬間、母親が「あ、全然違う」と言った。
薄型テレビ特有の「どこから音が出てるかわからない」感じが消えて、画面の正面から声が聞こえてくる。音の輪郭がはっきりして、ボリュームを上げなくてもセリフが聞き取れる。
「これ、いくらしたの?」と聞かれて「2万円くらい」と答えたら、「え、それでこんなに変わるの」と驚いていた。
ぶっちゃけ、親孝行として2万円は安い投資だと思う。毎日使うテレビの体験が変わるわけだから。
気に入りすぎて自分用にも買った話

実家で好評だったSonos Ray。帰京してから、僕は自分用にも1台買ってしまった。
ただし用途はテレビではなく、PCスピーカーとしてだ。
PCスピーカーとしてのSonos Ray
僕の作業環境は、27インチのモニターにMacBook Proを繋いでいる構成。これまではモニター内蔵のスピーカーを使っていたが、正直、音質は「聞こえればいい」レベルだった。
Sonos Rayは横幅約56cmで、27インチモニターの下にちょうど収まるサイズ。高さも7cm程度だから、モニターの足元に置いても視界を邪魔しない。
Macとの接続はAirPlay 2を使う。Wi-Fi経由でワイヤレス接続できるから、光デジタルケーブルを引き回す必要がない。システム環境設定で出力先をSonos Rayに指定するだけ。Spotifyもサブスク動画も、全部Rayから出力される。
音質は、PCスピーカーとしては完全にオーバースペックだと思う。Zoom会議の声もクリアだし、Netflixの映画も迫力が段違い。深夜の作業中はナイトサウンドをオンにしておけば、爆音で隣人に迷惑をかける心配もない。
光デジタル接続でゲーミング用途にも
ちなみに、PCに光デジタル出力があるなら、有線接続も可能だ。
AirPlayはどうしても若干の遅延があるから、音ゲーやFPSをガチでやる人には向かない。そういう場合は、光デジタル接続にすれば遅延はほぼゼロになる。
最近のゲーミングマザーボードには光デジタル出力がついているモデルも多いし、なければUSB-光デジタル変換アダプターを使う手もある。
Sonos Rayのスペックと価格
改めて、Sonos Rayの基本スペックを整理しておく。
サイズは幅559mm、奥行き95mm、高さ71mm。重量は1.95kg。
スピーカー構成はツイーター2基、ミッドウーファー2基の計4基。対応フォーマットはステレオPCM、Dolby Digital 5.1、DTSデジタルサラウンド。
入力端子は光デジタルのみ。HDMIは非搭載だ。通信はWi-Fi(2.4GHz)と有線LANに対応。AirPlay 2、Spotify Connectにも対応している。
カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。
価格は公式ストアで39,800円(税込)。ただし、Amazonや家電量販店では2万円台前半で買えることが多い。セール時には2万円を切ることもある。
正直、この価格帯でこの音質と機能性は、かなりお買い得だと思う。
Sonos Rayのデメリット・注意点
良いことばかり書いてきたが、正直に言うとデメリットもある。
HDMI非対応
最大の注意点はHDMI端子がないこと。つまり、HDMI ARCやeARCを使った接続はできない。
実用上の問題としては、テレビ側の設定で音声出力を「光デジタル」に変更する必要があることと、地デジのAAC音声に非対応なこと。ただし、多くのテレビは「オート」設定にしておけば自動で変換してくれるから、そこまで神経質になる必要はない。
Dolby Atmosのような最新の立体音響フォーマットには対応していないから、そこを求める人はSonos BeamやSonos Arcを検討したほうがいい。
Bluetoothには非対応
意外と盲点だが、Bluetooth接続には対応していない。
「スマホからBluetoothで音楽を飛ばしたい」という使い方はできない。代わりにWiFiを用いたAirPlay 2やSpotify Connectを使う形になる。iPhoneユーザーなら問題ないが、Androidユーザーは少し不便かもしれない。
単体での低音は控えめ
コンパクトなボディゆえに、単体での低音再生には限界がある。映画の爆発シーンでズドーンと響くような重低音は期待しないほうがいい。
もし低音を強化したいなら、別売りのSonos Sub Miniを追加するという手もある。ただし、Sub Miniだけで6万円台だから、Rayとセットで10万円オーバー。エントリークラスの範疇を超えてしまう。
個人的には、6畳〜8畳の部屋でテレビを見る分には、Ray単体で十分だと感じている。
こんな人にSonos Rayはおすすめ
ここまで読んでくれた人に向けて、Sonos Rayが向いている人・向いていない人を整理しておく。
向いているのは、テレビの音を手軽にグレードアップしたい人、コンパクトなサウンドバーを探している人、実家の親にプレゼントしたい人、PCスピーカーを探しているMacユーザー、シンプルな操作感を求める人、そして一人暮らしのワンルームに住んでいる人だ。
逆に向いていないのは、Dolby Atmosや最新の立体音響を求める人、重低音を重視する人、HDMI接続が必須な人、Bluetooth接続を使いたいAndroidユーザーだ。
Sonosの世界への入り口として、Rayは最適な選択肢だと思う。将来的にSonos OneやSYMFONISKをリアスピーカーとして追加すれば、サラウンド環境も構築できる。拡張性があるのもSonosの魅力だ。
まとめ:2万円台で買える「親孝行」と「自分へのご褒美」
Sonos Rayは、「ちょうどいい」サウンドバーだ。
派手な機能はないが、音の基本がしっかりしている。コンパクトで設置場所を選ばない。操作もシンプルで、機械が苦手な親世代でも使いこなせる。
僕は実家へのプレゼントとして買い、その後自分用にも買い足した。2万円台という価格を考えれば、これ以上のコストパフォーマンスはないと思っている。
「親にサウンドバーを贈りたいけど、何を選べばいいかわからない」という人は、Sonos Rayを候補に入れてほしい。きっと、帰省するたびに「あれ、本当にいいわ」と言われるようになる。
PCスピーカーとしての運用も、自信を持っておすすめできる。在宅ワークの作業環境を音からアップグレードしたい人は、ぜひ試してみてほしい。
Sonosの沼は深い。でも、その入り口として、Rayはちょうどいい深さだと思う。

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