結論:6畳間が「音の立体駐車場」になった
先に言う。Sonos Arcは、僕の6畳間を完全に映画館に変えた。
正確には、映画館というより「音に包囲される空間」だ。ミッション・インポッシブルを観ていたら、天井から敵が降ってくるシーンで、本当に上から足音が聞こえた。思わず見上げた。天井には何もない。あるのはArcが跳ね返した音だけ。
約8万円。正直、サウンドバーに払う金額としてはビビる。でも、毎晩の映画体験が「観る」から「浸る」に変わることを考えたら、ソシャゲに課金するより1000倍リターンがある投資だと思う。
この記事では、僕が実際にSonos Arcを6畳間で使い倒した体験を、良いところも微妙なところも全部正直に書いていく。購入を迷っている人は、最後まで読めば決断できるはずだ。
Sonos Arcとは?11基のドライバーが生む「音の壁」

Sonos Arcは、アメリカ発のオーディオブランドSonosが手がけるプレミアムサウンドバーだ。2020年に発売され、いまだに「Dolby Atmos対応サウンドバーの最適解」として名前が挙がり続けている。
スペックを見ていこう。
- 価格:約79,800円〜90,000円(セール時)
- サイズ:幅114cm × 高さ8.7cm × 奥行11.5cm
- 重さ:6.25kg
- ドライバー数:11基(うち2基が天井方向へ音を飛ばす専用ユニット)
- 対応フォーマット:Dolby Atmos、Dolby Digital Plus、PCM
- 接続:HDMI eARC/ARC、Wi-Fi、AirPlay 2
- 音場補正:Trueplay(iOSデバイス必須)
- 音声アシスタント:Amazon Alexa内蔵
幅114cmという巨体。49インチ以下のテレビだと両端がはみ出す。僕は55インチのテレビを使っているが、ちょうどいい収まり具合だ。
ただ、スペックを並べても意味がない。大事なのは「それで生活がどう変わるか」だ。
開封から音出しまで15分。「これがSonosか」と唸った

Arcが届いたとき、まず驚いたのは箱のデカさだ。1m超えのパッケージが届くと、なんか買ってしまった感がすごい。
でも、開封からセットアップまでが驚くほど簡単だった。
- 箱から出す
- HDMIケーブルでテレビと接続
- 電源を入れる
- Sonosアプリを開く
- スマホをArcにかざす(NFCでペアリング)
- 終わり
正直、「え、もう終わり?」と拍子抜けした。
AVアンプを組むときのような配線地獄は一切ない。部屋のコンセントから電源を取り、テレビとHDMI1本でつなぐだけ。それで11基のドライバーが一斉に目覚める。
Trueplayの儀式:部屋をグルグル歩く謎の時間
Sonosには「Trueplay」という音場補正機能がある。これがArcの真価を引き出す鍵だ。
やり方は独特で、iPhoneやiPadを持って部屋中をゆっくり歩き回る。Arcが出すテスト音を端末のマイクで拾い、部屋の音響特性を学習するという仕組みだ。
正直、傍から見たら完全に怪しい儀式だと思う。狭い部屋をスマホを振りながらウロウロする27歳男性。彼女が来てたら間違いなく引かれる。
でも、この儀式の前後で音が明らかに変わった。
Trueplay前:音が前から飛んでくる感じ。迫力はあるが「スピーカーから出てる」感が残る。
Trueplay後:音が部屋全体から包み込んでくる。天井からの反射音も含めて調整されるからか、Dolby Atmosの高さ方向の効果がグッと増した。
注意点として、TrueplayはiOS端末でしか使えない。Android派は友人からiPhone借りるか、中古のiPadを買うしかない。ここだけは本当に残念なポイントだ。
「上から音が降る」体験:Dolby Atmosで何が変わったか
Sonos Arcの目玉は、なんといってもDolby Atmos対応だ。
Dolby Atmosとは何か。簡単に言うと「音を点ではなくオブジェクトとして扱う技術」だ。従来のサラウンドは「左チャンネル」「右チャンネル」という固定された場所から音が出る。Atmosは違う。ヘリコプターが飛んでいくなら、その軌道に沿って音が移動する。
Arcには天井方向に音を飛ばす専用ドライバーが2基搭載されている。これが天井に反射して、「上から音が降ってくる」感覚を生み出す。
僕が最初に「上から音が降る」体験をしたのは、ミッション・インポッシブルを観ていたときだ。
トム・クルーズが天窓から侵入するシーン。足音が頭上から聞こえた。6畳間の天井は低い。それでも音は確かに上から来ていた。
Netflixのストレンジャー・シングスでは、異次元からの不気味な音が部屋中を這い回った。
Apple TV+の「グレイハウンド」では、潜水艦から発射された魚雷が横を通り過ぎていく感覚に息を呑んだ。
映画館で感じる「音に包まれる体験」が、自宅の6畳間で再現できる。これがSonos Arcの真骨頂だ。
6畳間でも大丈夫?狭い部屋でのリアルな実力

ここで正直な話をしよう。
Sonos Arcは「広い部屋向け」とよく言われる。公式も49インチ以上のテレビとの組み合わせを推奨している。じゃあ僕みたいな都内1Kの住人には向いてないのか?
結論から言うと、6畳間でも十分すぎるほど機能する。
むしろ狭い部屋の方が天井反射の恩恵を受けやすい面もある。天井が近いぶん、上向きドライバーからの音が早く返ってくる。Dolby Atmosの「高さ」を感じやすいのは、実は狭い部屋かもしれない。
ただし、注意点が2つある。
まず、音量問題。Arcは本気を出すとかなりの大音量が出る。マンションで壁ドンされたくなければ、夜間は音量を絞る必要がある。僕は隣人に気を使って、普段は最大音量の30〜40%で使っている。それでも映画体験としては十分な迫力だ。
次に、設置場所。幅114cmの巨体を置くスペースが必要だ。テレビ台の奥行きが足りないと、はみ出して不格好になる。壁掛け用のマウント(別売7,800円)も検討した方がいい。
セリフが聞き取りやすい:スピーチエンハンスメントの効果
映画を観ていて「セリフが聞き取りづらい」と感じたことはないだろうか。
僕は洋画を字幕で観ることが多いが、それでも俳優の声が爆発音や BGMに埋もれてストレスを感じることがあった。テレビのスピーカーだと特に顕著だ。
Sonos Arcには「スピーチエンハンスメント」機能がある。人の声が聞こえやすいように周波数を調整してくれる機能だ。
これをオンにすると、ボソボソ喋る登場人物の声もクリアに聞こえる。ノーラン映画の登場人物が何を言ってるか、やっとわかるようになった。
Sonosアプリから簡単にオン・オフできるので、音楽を聴くときはオフ、映画を観るときはオンと使い分けている。
映画だけじゃない:音楽再生も一級品

Sonos Arcは映画用機器だと思われがちだが、音楽スピーカーとしても優秀だ。
AirPlay 2に対応しているので、iPhoneから直接音楽を飛ばせる。SpotifyやApple Musicはもちろん、最近はDolby Atmos Musicにも対応している。空間オーディオで音楽を聴くと、バンドの中にいるような感覚になる。
僕は在宅ワーク中、BGMとしてジャズやエレクトロを流している。11基のドライバーが奏でる音は、そこらのBluetoothスピーカーとは次元が違う。高音はキレがあり、中低音は厚みがある。サウンドバーのくせに、ピュアオーディオ的な満足感がある。
特にサブウーファーなしでもある程度の低音が出るのが偉い。Sonos Sub Miniを追加すれば完璧だが、Arc単体でも「足りない」とは感じない。
正直に言う、Sonos Arcの欠点
ここまで褒めてきたが、欠点も正直に書く。完璧な製品などない。
1. TrueplayがiOSでしか使えない
これは本当に残念。Android派は音場補正の恩恵を受けられない。SonosよりもAndroidユーザーの方が多い日本で、この仕様はビジネス的にも損だと思う。
2. 価格が高い
8万円はサウンドバーとしては高級品だ。同じSonosでもBeam Gen2なら約5万円で買える。予算に限りがあるなら、まずBeamから始めるのもアリだ。
3. サラウンドの「後ろ感」は物理スピーカーに勝てない
いくらDolby Atmosとはいえ、後ろに物理的なスピーカーがないので、真後ろからの音は再現しきれない。あくまで「包まれる感覚」であって、「背後から刺される恐怖」までは再現できない。
完璧なサラウンドを求めるなら、Sonos Era 100をリアスピーカーとして追加することを検討した方がいい。
4. 本体がデカい
114cmは長い。49インチ以下のテレビだとバランスが悪くなる。置き場所は事前にしっかり測っておくべきだ。
Sonos Arc vs Beam Gen2:どっちを選ぶべきか
Sonosのサウンドバーで迷う人の多くは、ArcとBeamで悩む。
簡単に整理しよう。
Sonos Beam Gen2を選ぶべき人
- 予算を5万円台に抑えたい
- テレビが43インチ以下
- Dolby Atmosは「あればいい」程度
- 6畳以下の狭い部屋で使う
Sonos Arcを選ぶべき人
- 映画体験に妥協したくない
- テレビが55インチ以上
- Dolby Atmosで「上から降る音」を体験したい
- 音楽スピーカーとしても使いたい
僕の結論は「迷ったらArc」だ。
Beamも素晴らしい製品だが、Arcを経験すると「あのときArcにしておけば」と後悔する可能性がある。オーディオは一度良いものを知ると戻れない。最初から正解を買った方が、トータルでは安く済む。
Arc Ultraという選択肢:7万円の差は何を買うのか
2025年1月に発売されたSonos Arc Ultraという上位モデルがある。価格は約15万円。Arcの約2倍だ。
Arc Ultraは「Sound Motion」という新技術を搭載し、ドライバーは14基に増加。Dolby Atmosのチャンネル数も5.0.2から9.1.4に進化している。
7万円の差で何が変わるか。簡潔に言うと「低音の深さ」と「空間の広さ」だ。Arc Ultraは単体でサブウーファー級の低音を出せるし、音場もより立体的になっている。
ただ、僕の正直な意見を言うと、6畳間で使うならArcで十分だ。Arc Ultraの真価が発揮されるのは、もっと広い部屋だと思う。
予算が許すならArc Ultraを選んでも後悔はしない。でも「8万円でこの体験ができるのか」という驚きは、Arcの方が大きいかもしれない。
こんな人にSonos Arcをおすすめする
最後に、Sonos Arcを買うべき人を整理しよう。
Arcを今すぐ買うべき人
- NetflixやApple TV+で映画を頻繁に観る
- テレビの内蔵スピーカーに不満がある
- 「音響に8万円」を投資と考えられる
- iPhoneまたはiPadを持っている(Trueplay用)
- 55インチ以上のテレビを使っている
Arcより他の選択肢を検討すべき人
- 予算が5万円以下
- Androidしか持っていない(Trueplayできない)
- 43インチ以下のテレビを使っている
- 深夜に大音量で観たい(隣人トラブルの予感)
まとめ:6畳間を映画館にする、最短ルート
Sonos Arcは、僕の生活を確実に変えた。
平日の夜、仕事から帰ってきてNetflixをつける。その瞬間、6畳間が映画館に変わる。上から音が降り、横から音が迫り、正面からセリフが届く。テレビの前に座っているだけで、作品の世界に引きずり込まれる。
約8万円。高いと思うか、安いと思うか。
僕は「毎晩の体験をアップグレードする投資」として、十分にペイしたと思っている。1年使えば1日あたり約220円。コンビニコーヒー1杯分で、映画館体験が毎晩手に入る。
迷っているなら、買え。後悔はしない。
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