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Sonos Era 300 レビュー:空間オーディオの衝撃と設置場所の注意点

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結論から言う。これは「音楽の聴き方」が変わるスピーカーだ

僕は最初、Era 300に7万円近く払うことにビビっていた。

「空間オーディオ?そんなの、ちゃんとしたホームシアター組まないと意味ないでしょ」

そう思っていた時期が僕にもあった。でも実際に自宅の6畳間でEra 300をセットアップして、Apple Musicの空間オーディオ対応楽曲を流した瞬間、その考えは完全に覆された。

音が、「スピーカーから出ている」感覚がない。部屋全体が、音で満たされる。ボーカルが目の前の少し上に浮かび、楽器の音が背後や左右から包み込んでくる。たった1台のスピーカーで、これをやってのける。

Era 300は、東京の狭い部屋でこそ真価を発揮するスピーカーだ。ただし、この体験を最大限に引き出すには「設置場所」にかなり気を使う必要がある。今回は、僕が実際に使ってわかった感動ポイントと、購入前に絶対知っておくべき注意点を包み隠さず話していく。

Era 300の何がすごいのか?6基のドライバーが作る「音の立体空間」

Era 300の最大の特徴は、たった1台でDolby Atmos対応の空間オーディオを再生できることだ。

普通のスピーカーは正面に向かって音を出す。当たり前だ。でもEra 300は違う。本体内部に6基のドライバー(ツイーター4基、ウーファー2基)を搭載していて、音を前方、左右、そして上方向に放出する。この設計により、音が壁や天井に反射し、リスナーを360度包み込むような立体的なサウンドステージが生まれる。

これがDolby Atmos楽曲と組み合わさると、とんでもないことが起きる。

たとえばApple MusicやAmazon Musicで配信されている空間オーディオ対応の楽曲を聴くと、ボーカルと楽器が完全に「分離」して聞こえる。あるレビュワーが「通常音源がミックスジュースだとすれば、Dolby Atmos音源は一つ一つの果実を別々に味わえる感覚」と表現していたが、まさにその通りだ。

僕が個人的に衝撃を受けたのは、あいみょんの『愛の花』を聴いたとき。歌声がスピーカーの少し上の空間に浮かび上がり、アコギやシンセはその背後で広がる。目の前にある1台のスピーカーから再生しているとは、到底思えない。

「音楽を聴く」という行為が、「音楽の中に入る」という体験に変わる。これが空間オーディオの本質であり、Era 300がそれを狭い部屋でも実現してくれる。

設置場所の注意点:ここをミスると7万円がムダになる

さて、ここからが重要だ。Era 300の音響設計は革新的だが、その分、設置場所にはかなりシビアな条件がある。Sonosの公式ガイドラインをベースに、僕が実際に試してわかった注意点をまとめる。

上部に約60cm以上の空間を確保せよ

Era 300は上方向にも音を放出して天井に反射させることで立体感を生み出す。そのため、本体の上部に最低でも約60cm(2フィート)の空間が必要だ。

これが何を意味するかというと、本棚の中や、天井の低いロフト下には置けない。上部が塞がれると、空間オーディオの効果が著しく損なわれる。

本棚や囲まれた空間は絶対NG

公式サイトにも明記されているが、四方を囲まれた本棚などへの設置は推奨されていない。Era 300は左右にも音を放出するため、両サイドが塞がれると音の拡散性が大幅に低下する。

理想的なのは、オープンなサイドテーブルやスタンドの上。インテリア的には本棚に収めたくなる気持ちはわかるが、ここは我慢してほしい。

壁や棚際に置くなら、背面2.5cm・側面20cm以上空ける

完全にオープンな場所に置けない場合でも、最低限のクリアランスは確保しよう。背面は2.5cm以上、側面は各20cm以上の空間が推奨されている。

僕の6畳間では、壁際に置かざるを得なかったが、側面20cmのクリアランスを確保したらかなり改善された。

天井から60cm以内に設置する場合は「逆さま」にする

これは意外と知られていないが、壁掛けなどで天井から60cm以内に設置する場合は、本体を上下逆さまにすることが推奨されている。Era 300は上方向に音を出す設計のため、天井との距離が近すぎると音の反射がうまく機能しない。逆さまにすることで、下向きに音を放出し、床からの反射を活用できるようになる。

純正のウォールマウントを使えば、上下どちらの向きでも設置可能だ。

縦置きや急角度での設置は厳禁

Era 300には傾きセンサーが内蔵されていて、縦置きや急角度で設置するとオーディオ再生が自動停止する。これは設計上の仕様なので、どうにもならない。必ず水平に設置しよう。

Trueplayで部屋の音響を最適化する

設置場所を決めたら、次にやるべきはTrueplayチューニングだ。これはSonosアプリから実行できる音場補正機能で、部屋の形状や家具の配置に合わせてスピーカーの出力を自動調整してくれる。

Era 300には2種類のTrueplayがある。

1つ目は「クイックチューニング」。スピーカー本体のマイクを使って自動測定するモードで、iOSでもAndroidでも使える。手軽だが、精度は控えめ。

2つ目は「アドバンスドチューニング」。iOSデバイスのマイクを使い、部屋の中を歩き回って測定する従来の方式だ。手間はかかるが、精度は圧倒的に高い。

僕のおすすめは、最初はクイックで試して、もっと追い込みたくなったらアドバンスドに挑戦するというステップ。正直、クイックでも十分に効果を実感できるレベルだ。

1台で十分?2台でステレオペアにすべき?

Era 300は1台でも空間オーディオを体験できるが、2台用意してステレオペアにすると、さらに広がりのあるサウンドステージが生まれる。

ただし、2台で約14万円。これはかなりの出費だ。

僕の結論としては、まず1台から始めることを強く推奨する。理由はシンプルで、1台でも十分に感動できるから。

そもそも、2台にしたところで6畳間では音の広がりを活かしきれない可能性もある。僕のような狭い部屋に住んでいるなら、まず1台で空間オーディオの世界を体験し、「もっと上を目指したい」と感じたら2台目を検討する、という流れがいいだろう。

逆に、12畳以上のリビングがあるなら、最初から2台導入を視野に入れてもいい。広い部屋ではステレオペアの恩恵を最大限に受けられる。

Era 100との違い:空間オーディオを取るか、コスパを取るか

Sonosには、Era 300の下位モデルとして「Era 100」がある。価格は約2.8〜3万円と、Era 300の半額以下だ。

Era 100はDolby Atmosには非対応だが、1台でステレオ再生ができるようになり、音質もかなり向上している。正直、通常の音楽再生であればEra 100でも十分すぎるほど満足できる。

Era 300を選ぶべきなのは、明確に「空間オーディオを体験したい」という目的がある人だ。Apple MusicやAmazon Musicで空間オーディオ対応楽曲を積極的に聴く人、映画やライブ映像を没入感のある音で楽しみたい人には、Era 300の価値は確実にある。

一方、「いい音でSpotifyを聴ければ十分」「予算をできるだけ抑えたい」という人は、Era 100のほうが賢い選択だ。浮いた4万円で、2台目のEra 100を買ってステレオペアにするのも面白い。

Era 100のレビューは別記事で詳しく書いているので、迷っている人はそちらもチェックしてほしい。

→ Sonos Era 100 レビュー:コンパクトなのに驚きのパワフルサウンド

将来的なシステム拡張:ホームシアターへの道

Era 300の隠れた魅力は、将来的にホームシアターシステムへ拡張できる点だ。

Sonos ArcやBeam(Gen 2)といったサウンドバーと組み合わせることで、Era 300をリアスピーカーとして活用できる。しかもWi-Fi接続だから、リアスピーカーへのケーブル配線は不要。これが地味にありがたい。

僕は現在、Arc + Sub Mini + Era 300×2台という構成を目指して貯金中だ。総額は約34万円とかなりの金額になるが、これだけで本格的なDolby Atmosホームシアターが完成する。一般的なAVアンプとスピーカーを一式揃えるよりも、むしろコスパがいいまである。

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Era 300のスペックまとめ

最後に、Era 300のスペックを整理しておく。

サイズは幅260mm × 高さ160mm × 奥行き185mm。重量は4.47kg。週刊少年ジャンプを思い浮かべてもらえれば、だいたいそのくらいのサイズ感だ。

カラーはマットブラックとマットホワイトの2色。どちらも落ち着いた質感で、部屋に置いても主張しすぎない。

接続はWi-Fi 6、Bluetooth 5.0、AirPlay 2に対応。USB-Cポートから別売りのアダプターを使えば、ターンテーブルやCDプレーヤーとの有線接続も可能だ。

価格は2024年12月現在、Amazonで約63,000円〜、定価は69,800円。タイミングによってはセールで5万円台になることもあるので、急ぎでなければ価格推移をチェックしてから購入するのがおすすめだ。

まとめ:Era 300は「狭い部屋でこそ輝く」スピーカーだ

Era 300は、単なる「高級スピーカー」ではない。これは「音楽体験のアップグレード」だ。

僕らのような狭い東京の部屋で、本格的な空間オーディオを体験できるプロダクトは、現時点でこれ以外にほぼ存在しない。7万円という価格は確かに高い。でも、毎日の帰宅後の音楽タイムが、ライブ会場やコンサートホールのような体験に変わると考えれば、投資する価値は十分にある。

ただし、設置場所の条件は購入前に必ず確認してほしい。上部60cm以上の空間が確保できるか。本棚に入れようとしていないか。これをクリアできるなら、Era 300はあなたの日常を確実にアップグレードしてくれる。

音楽を「聴く」から「浴びる」へ。その体験が気になるなら、Era 300を検討してみてくれ。


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