「Sonosで一番いいスピーカー」を知ってるか?
Sonosの製品ラインナップで、最も「音楽を聴くこと」に特化したスピーカーがある。それがSonos Fiveだ。
僕自身、現在のメインシステムはSonos Arcをベースにしたホームシアター構成(Arc + Sub Mini + Era 100×2)なんだけど、Sonos Fiveの存在はずっと気になっていた。「あれって音楽ガチ勢向けなんでしょ?」「レコードプレーヤー繋げるって本当?」という声をよく聞く。
結論から言うと、Sonos Fiveは「映画より音楽」「Dolby Atmosより原音再生」「ワイヤレスの便利さと、有線接続の確かさを両立したい」という人にとって、Sonosエコシステムの中で唯一無二の選択肢だ。
この記事では、Sonos Fiveのスペックから実際の使用感、アナログレコードプレーヤーとの接続方法、そしてEra 300との違いまで、「買う前に知りたかった」情報を全部まとめる。
約8万円という価格に見合う価値があるのか。あなたが求めているものなのか。読み終わる頃には、あなたの中で答えが出ているはずだ。
Sonos Fiveの基本スペック|なぜ「最強」と呼ばれるのか

まず、Sonos Fiveがどんなスピーカーなのかを整理しておこう。
圧倒的なドライバー構成
Sonos Fiveには、3基のツイーターと3基のミッドウーファー、合計6基のドライバーが搭載されている。それぞれに専用のクラスDアンプが割り当てられていて、つまり6つのアンプが同時に駆動するという、ワイヤレススピーカーとしては異例の構成だ。
「一体型スピーカーでしょ?」と思うかもしれない。でも中身は完全にセパレート思想で設計されている。高音域を担当するツイーターは両側面に角度をつけて配置され、音を空間の隅々まで広げる設計。低音を担当するウーファーは3基の「ハイエクスカーション」タイプで、6畳の部屋でも床が振動するレベルの低音を叩き出す。
サイズ感と重量
- 幅:364mm(ピザーラのLサイズとほぼ同じ)
- 高さ:203mm(500mlペットボトルくらい)
- 奥行き:154mm
- 重量:6.36kg
正直、デカい。Sonos Era 100と比べると体積にして3倍以上ある。1K〜1LDKの一人暮らし部屋に置くには存在感がありすぎるかもしれない。
でも逆に言えば、この存在感こそがSonos Fiveの魅力でもある。部屋に友人を招いた時、「このスピーカー何?」と聞かれる確率は極めて高い。インテリアとしての所有満足度も高いんだ。
価格帯
2024〜2025年時点での実売価格は約72,000〜80,000円。定価は79,800円(税込)だ。
Era 300が約69,000円、Era 100が約35,000円であることを考えると、「Sonosスピーカーの中で最も高価」なポジションにいる。この価格に見合う価値があるのかは、後ほど詳しく解説する。
唯一無二の特徴|3.5mmライン入力でアナログ機器と直結

Sonos Fiveを語る上で絶対に外せないのが、背面にある3.5mmライン入力端子だ。
これ、実はSonosのスピーカーラインナップの中で「直接ライン入力できる」のはFive(とPort、Amp)だけ。Era 300やEra 100は別売りのライン入力アダプター(約3,000円)を買わないとアナログ接続ができない。
レコードプレーヤーとの接続方法
ターンテーブル(レコードプレーヤー)をSonos Fiveに接続する手順は驚くほどシンプルだ。
- RCAから3.5mm変換ケーブルを用意する(1,000〜2,000円程度)
- ケーブルの3.5mm側をSonos Five背面のジャックに挿す
- RCA側をレコードプレーヤーのライン出力に接続
- Sonosアプリでライン入力ソースを選択
これだけ。Wi-Fi設定とかBluetoothペアリングとか、そういうのは一切いらない。物理的に繋いで、アプリでソースを切り替えるだけ。
ただし注意点が一つ。レコードプレーヤーには「フォノイコライザー」が必要だ。これが内蔵されていないターンテーブルの場合、別途外付けのフォノイコライザーを間に挟む必要がある。
最近のエントリー向けターンテーブル(オーディオテクニカのAT-LP60Xなど)にはフォノイコライザーが内蔵されているものが多いから、そういうモデルを選べば追加機材なしで直結できる。
デジタル変換されるけど、レコードの「味」は残る
「でもWi-Fiスピーカーってことは、結局デジタル変換されるんでしょ?」
その通り。Sonos Fiveはアナログ入力をデジタルに変換して再生する。だからオーディオマニアが求める「完全なアナログ信号パス」は実現できない。
でも、実際に使ってみると分かるんだけど、レコード特有の「丸み」や「厚み」はちゃんと感じられる。ストリーミングで同じ曲を聴くのとは明らかに違う音が出る。
これは「気のせい」じゃなくて、アナログ盤特有の周波数特性や、針がレコード溝をトレースする時の微細な揺らぎが、デジタル変換後も残っているからだと思う。
レコードを聴く体験って、音質だけじゃないんだよね。ジャケットを眺めながら針を落とす儀式、A面が終わってひっくり返す間。そういう「所作」込みで音楽を味わいたい人にとって、Sonos Fiveは最高の相棒になる。
CDプレーヤー、プロジェクターとの接続もOK
3.5mmライン入力はレコードプレーヤー専用じゃない。CDプレーヤーはもちろん、プロジェクターの音声出力を繋いで映画を見るなんて使い方もできる。
古いiPod ClassicやDAPを繋いで、ロスレス音源を鳴らすのもアリ。Bluetooth接続と違って遅延もないし、音質劣化も最小限だ。
「手持ちのアナログ機器をSonosシステムに取り込みたい」というニーズに対する、最もスマートな解決策がSonos Fiveだと言える。
Sonos Five vs Era 300|どっちを買うべきか問題
ここからが本題だ。Sonos Fiveと、同価格帯のEra 300。この2つで悩む人は多い。
僕なりの結論を先に言う。
- 音楽をステレオでじっくり聴きたい → Sonos Five
- Dolby Atmos音源や空間オーディオを体験したい → Era 300
- ホームシアターのリアスピーカーに使いたい → どちらもアリ(ただし用途で違う)
音質の方向性が根本的に違う
Sonos Fiveは「ステレオ再生」に全振りしたスピーカーだ。左右のチャンネル分離が明確で、定位がしっかりしている。ボーカルが真ん中に立ち、各楽器の位置関係がくっきり見える。
一方、Era 300は「空間オーディオ」に特化している。上向きに発射するドライバーがあって、Dolby Atmos対応の音源を再生すると、文字通り「音に包まれる」体験ができる。
どちらが「良い」とかじゃない。聴く音源のタイプと、求める体験が違うんだ。
解像度と低音域はFiveが優勢
純粋な音質比較をすると、Sonos Fiveの方が解像度が高く、低音の伸びも良い。6基のドライバーと6基のアンプという物量が効いている。
Era 300も十分に高音質なんだけど、Fiveと並べて聴くと「情報量」で差がつく。特に低音域。Fiveの3基のミッドウーファーが生み出す重低音は、Era 300では再現できない。
ライン入力の有無
これも大きな違い。Sonos Fiveは本体に3.5mm端子がある。Era 300は別売りアダプターが必要。
「レコードプレーヤーを繋ぎたい」という明確な目的があるなら、迷わずFiveだ。
Bluetooth対応の有無
逆に、Sonos FiveにはBluetoothがない。Era 300にはBluetooth 5.0が搭載されている。
「友達が遊びに来た時に、iPhoneから曲を飛ばしたい」みたいなカジュアルな使い方を想定するなら、Era 300の方が便利かもしれない。
ただ、Sonos FiveもAirPlay 2には対応しているから、Apple製品ユーザーなら大きな問題にはならない。
設置の自由度
Sonos Fiveは横置き・縦置きの両方に対応している。横に置けばステレオ、縦に置けばモノラルに自動で切り替わる。2台をステレオペアにする時は縦置きが推奨されている。
Era 300は独特な形状から設置場所を選ぶ。上向きドライバーを活かすには、周囲に空間が必要。本棚の中に押し込むと性能を発揮できない。
「置き場所に制約がある」という一人暮らしの現実を考えると、Fiveの方が柔軟かもしれない。
1台で満足できるか?2台ステレオペアの世界

Sonos Fiveは1台でもステレオ再生ができる。横置きにすると左右のドライバーが自動でチャンネル分離するからだ。
正直、1台でも十分に満足度は高い。6畳〜8畳の部屋なら、1台で隅々まで音が行き渡る。
でも、もし予算が許すなら、2台をステレオペアにする体験は別次元だ。
2台ペアにすると何が変わるか
- 音像がさらにワイドに広がる
- 定位の精度が上がり、ライブ会場にいるような臨場感が出る
- 低音の迫力が単純に2倍(体感的には2倍以上)
僕が聞いた話だと、「ホールで聴いているような響き」「音に包まれる幸福感」を得られるらしい。約16万円の投資にはなるけど、オーディオ沼に片足突っ込んでいる人なら、投資対効果は悪くない。
ちなみに2台をステレオペアにした状態でも、片方のスピーカーにレコードプレーヤーを接続すれば、両方から音が出る。Wi-Fiで同期されるから、配線は1本で済む。
ホームシアターのリアスピーカーとしての実力
Sonos FiveはSonosサウンドバー(Arc、Arc Ultra、Beam)のリアスピーカーとしても使える。
僕の現在の構成はArc + Sub Mini + Era 100×2だけど、リアをEra 100からFiveに変えたらどうなるか。正直、気になっている。
Fiveをリアに使うメリット
- 圧倒的な低音補強(サブウーファー的な役割も兼ねる)
- リアチャンネルの解像度アップ
- 5.1.2ch構成でも、リア側の存在感が増す
注意点
Sonos Fiveはリアスピーカーに使うと5.1.2ch構成になる。一方、Era 300をリアに使うと7.1.4ch構成になる。
Dolby Atmos対応の映画コンテンツを最大限楽しみたいなら、Era 300の方が理論上は有利。Fiveにはアップファイアリングドライバー(上向きスピーカー)がないからだ。
ただ、「映画もいいけど、音楽を聴く時間の方が長い」という人なら、Fiveをリアに据えるのも全然アリだと思う。
サウンドバーについて詳しく知りたい人は、Sonos Arcのレビュー記事もチェックしてほしい。
Sonos Fiveが向いている人、向いていない人
ここまでの内容を踏まえて、Sonos Fiveが「刺さる人」と「合わない人」を整理しよう。
向いている人
- 音楽を「聴く」ことが生活の中心にある人
- Spotifyプレミアム、Apple Music、Amazon Music Unlimitedなどで月に何十時間も音楽を聴く
- 作業BGMじゃなく、音楽そのものを楽しむ時間を持っている
- レコードプレーヤーを持っている、または興味がある人
- アナログ盤の味を、現代的なワイヤレス環境で楽しみたい
- CDプレーヤーなど、レガシーなオーディオ機器を活かしたい
- Dolby AtmosよりステレオHi-Fiを重視する人
- 空間オーディオより、左右2chの定位と解像度を求める
- クラシック、ジャズ、アコースティック系を好む
- 部屋のインテリアとして「良いスピーカー」を置きたい人
- 所有する満足感、見た目の存在感を重視
- 来客時に「いいスピーカーだね」と言われたい
- Sonosエコシステムにすでにコミットしている人
- Arc、Beam、Era 100などをすでに持っていて、システム拡張を考えている
- マルチルーム再生を活用したい
向いていない人
- 映画視聴がメインの人
- Dolby Atmos対応コンテンツを最大限楽しみたいならEra 300の方が適している
- ホームシアター構築が目的なら、サウンドバー+サブウーファーの組み合わせを優先すべき
- Bluetooth接続を多用する人
- FiveにはBluetoothがない(AirPlay 2はOK)
- 友人と気軽に音楽をシェアしたいならEra 300かRoam
- 持ち運びたい人
- Fiveは6.3kgあるし、バッテリーもない
- ポータブル用途ならRoam 2やMove 2を選ぶべき
- 予算8万円で「全部入り」を求める人
- FiveはBluetoothなし、音声アシスタントなし、Dolby Atmos非対応
- 多機能性を求めるならEra 300の方がコスパは良い
→ Sonos Era 300 レビュー:空間オーディオの衝撃と設置場所の注意点
6畳ワンルームでも使えるか?騒音問題を考える
一人暮らしの賃貸アパートでSonos Fiveを使う場合、気になるのは騒音問題だろう。
結論から言うと、Sonos Fiveは「小音量でも音質が落ちにくい」という特性がある。6基のドライバーとアンプが効率的に動作するから、ボリューム20%程度でも音像がしっかり立つ。
「爆音でしか本領発揮しない」タイプのスピーカーではない。深夜に隣人を気にしながら音量を絞っても、ちゃんと音楽を楽しめる。
ただ、低音はどうしても壁を通して響きやすい。木造アパートで夜中にEDMをガンガン鳴らすのはやめた方がいい。これはどのスピーカーでも同じだけど。
Sonosアプリのイコライザー機能で低音を抑えめに設定すれば、隣人トラブルのリスクは下げられる。「ラウドネス」設定をオフにすると、小音量時の低音ブーストがなくなるから、深夜用のプリセットを作っておくと便利だ。
Sonos製品で集合住宅の騒音問題が気になる人は、ポータブルスピーカーのRoam 2レビューも参考にしてほしい。持ち運べるから、夜は自分の耳元だけで楽しむという選択肢もある。
TruePlayで部屋に最適化|ただしiOSユーザー限定
Sonos Fiveには「TruePlay」という自動音場補正機能がついている。
iPhoneやiPadのマイクを使って部屋の音響を測定し、壁の反射や家具の配置を考慮してEQを自動調整してくれる。これがかなり効く。
設定前と設定後で同じ曲を聴き比べると、低音の「ボワつき」が消えて、全体的にクリアになったのが分かる。特に壁に近い場所にスピーカーを置く場合、TruePlayの恩恵は大きい。
ただし問題がある。TruePlayはiOS専用なんだ。
Androidユーザーの場合、Era 300やEra 100なら「クイックチューニング」という簡易版が使えるけど、Sonos Fiveは非対応。完全に手動でEQを調整するしかない。
「iPhoneを持っていない」という人にとっては、これが購入を躊躇する理由になるかもしれない。友人にiPhoneユーザーがいれば、設定の時だけ借りるという手もあるけど。
他社製品との比較|Bose、B&Oと比べてどうか
Sonos Fiveの競合になるのは、BoseのSoundLink Maxや、Bang & OlufsenのBeosound A5あたりだろう。
Bose SoundLink Max(約6万円)
- ポータブル対応(バッテリー内蔵)
- Bluetooth対応
- 音質はFiveより劣るが、持ち運びの自由度は圧倒的
「家でも外でも使いたい」ならBose。「据え置きで最高の音質を求める」ならSonos Five。
Bang & Olufsen Beosound A5(約15万円)
- デザインと素材感は最高峰
- バッテリー内蔵で持ち運び可能
- 音質もFiveと同等かそれ以上
予算が許すなら選択肢に入るけど、価格差を考えるとSonos Fiveのコスパは圧倒的に良い。
購入前のチェックリスト
Sonos Fiveを買う前に、以下を確認しておこう。
- Wi-Fi環境は安定しているか
- Sonos FiveはWi-Fi必須。5GHz帯対応ルーターがあると安心
- 有線LAN接続も可能(背面にイーサネットポートあり)
- iOSデバイスを持っているか
- TruePlayを使うにはiPhoneかiPadが必要
- なくても使えるが、音場補正の恩恵は受けられない
- 設置スペースは確保できるか
- 幅36cm × 高さ20cm × 奥行き15cmの場所が必要
- 周囲5cm以上のスペース推奨
- アナログ機器を接続する予定はあるか
- レコードプレーヤーやCDプレーヤーを繋ぐならFive一択
- 必要ないならEra 300も検討の価値あり
- 予算は1台分か2台分か
- 1台:約8万円
- ステレオペア:約16万円
- 1台で始めて、後から追加も可能
まとめ|「音楽ガチ勢」なら後悔しない一台
Sonos Fiveは、Sonosラインナップの中で最も「音楽」にフォーカスしたスピーカーだ。
Dolby Atmosや空間オーディオのような「新しい体験」ではなく、「ステレオ再生の完成形」を追求している。3.5mmライン入力でアナログ機器と直結できるのも、この思想の表れだろう。
約8万円という価格は決して安くない。でも、毎日の通勤で音楽を聴いて、休日は部屋でレコードを回して、寝る前にはジャズを流しながらウイスキーを飲む——そういう「音楽と共に生きる」生活を送っている人にとって、この投資は確実にリターンがある。
(僕も結構憧れている。いつも映画とか見てしまうけど。。。)
「課金すべきはソシャゲより、リアル空間の音響」
僕はそう思っている。
Sonosの他のスピーカーとの比較が気になる人は、Sonos Era 100レビューやSub Miniレビューも合わせて読んでみてほしい。
あなたの音楽生活が、一段上のレベルに変わることを約束する。

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